雑誌「内科」に執筆させていただきました。
臨床雑誌「内科」9月号の中で肺非結核性抗酸菌症(NTM)について執筆させていただきました。
今回は医師向けの内容です。
タイトルは「急増する本邦での非結核性抗酸菌症の疫学・診断・治療」でありました。
コロナウイルスの感染拡大に伴い、私の行なっているNTMの臨床研究も、停滞気味となっております。
5月にアメリカ胸部学会(ATS)で発表予定でしたが、ATSも中止となったため今年はまだあまり発信できないでいたので、このような執筆の機会を与えていただいたことに大変感謝しております。
NTM特に沖縄が注目されているM.abscessus complex(MABC)症は難治性で本邦の抗菌薬では治療の完遂が難しい状況です。今年、ATS/ERS/CDCなどが合同でガイドラインの改訂がされておりますが、アジスロマイシンの長期投与は本邦で承認されておらず、Tigecycline, Clofazimine, アミカシンリポソーム吸入懸濁液(ALIS)などは一般の病院ではなかなか手に入らないのが現状です。偉い先生方のご尽力でこれらの薬が我が国でも使えるようになることが期待されます。
MABCの予後、感受性を予測する上で重要なサブタイプの解析に関しても、まだ一般的には普及しておりません。確かに、これらの検査を頻繁に必要としているかと言われると、微妙なところではありますし、高額な機械を購入してもpayできなければ施設への負担にもなります。ただ、沖縄は島嶼県であることから、できれば検査、診断、治療を島内で完結させてあげたいのです。患者さんや細菌検査室の方々のご負担などを考えると、、
コロナで頭がいっぱいになりがちな毎日ですが、私のライフワークである在宅医療、エンドオブライフ・ケア、そしてNTMの研究に関しても、コロナ禍の中でも粘り強く続けて行きたいですね。