これまでの執筆、論文などを掲載しております。書籍の執筆などもご連絡いただければ行わせていただきます。

論文

1、産業廃棄物処理者に発症した過敏性肺炎の1例 (長野宏昭ほか)  https://www.fujisan.co.jp/product/1961/b/944747/

私が初めて世に出した論文です。日本語ですが、オンラインでは閲覧不可能で、日本胸部臨床という雑誌を購入していただき必要があります。過敏性肺炎(HP)は日本では夏型過敏性肺炎、欧米では鳥関連などがよく知られていますが、職業関連の過敏性肺炎も様々なケースが報告されています。職業関連のHPでは患者は仕事の継続が困難となることがあり、社会的な側面でもフォローが必要になってくるため個別の対応が必要になります。

2、当院における肺 Mycobacterium abscessus 症の臨床的検討http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0870060726.pdf

私が研究しているテーマの一つである非結核性抗酸菌症(NTM症)の最初の論文です。私が大阪で働いていた時に、恩師である網谷良一先生からNTM症の研究をすすめられて始めたのがきっかけでした。今思えば、自分から研究テーマを探して取り組むべきところを、網谷先生のご慈悲でこの分野に興味を持つことができました。網谷良一先生は私の生涯の恩師です。

3、Indications of airway stenting for severe central airway obstruction due to advanced cancer https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5484493/

私が最初に書いた英語論文です。PLOS ONEというオンラインのジャーナルです。進行した食道がんや肺がんなどで気道が狭窄して窒息の危険性が高まった場合、対症療法として気管ステントを挿入するという方法がありますが、この挿入自体が非常に危険な処置になります。どのような患者さんに気管ステント挿入を行うべきか?過去の症例を振り返ってまとめた論文です。

4、Causative species of nontuberculous mycobacterial lung disease and comparative investigation on clinical features of Mycobacterium abscessuscomplex disease: A retrospective analysis for two major hospitals in a subtropical region of Japan https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5653325/

NTMの論文第二弾です。こちらもPLOS oneからの出版です。大阪時代から興味を持っていたMycobacterium abscessus(MABC)症ですが、沖縄でその割合が多いことが判明し、その疫学調査を開始しました。日本本土ではNTM症はMycobacterium avium complex (MAC)が80%以上ですが、沖縄、台湾、韓国などではMABCがそれについで多いという結果が出ています。現在、沖縄県全体の病院、台湾の病院ともコラボレーションしてMABCのサブタイプ、ゲノム解析も行う予定です。

5、Mycobacterium shimoidei, a rare non‐tuberculous mycobacteria pathogen identified by matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight mass spectrometry https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/rcr2.428

NTMの論文第三弾です。respirology case reportという、アジアの呼吸器雑誌ではかなりレベルの高い雑誌に掲載されました。日本人が発見した、Mycobacterium ShimoideiというまれなNTMによる肺感染症の一例報告です。

6、A brief home-based palliative care learning experience for medical students and resident doctors in Okinawa, Japan  

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0218780        

訪問診療と医学教育を題材とした質的研究が論文として世に出ることになりました。今まで書いた論文の中で最も労力を費やし、そして最も熱い想いの詰まった作品です。 沖縄ハワイ医学教育フェローシップ以来、2年以上の歳月を要しましたが、ついに形になりました。質的研究の奥深さ、難しさを痛感しました。今回の研究は、内科ローテイト中の医学生や研修医を訪問診療へ連れてゆき、直後に振り返りのdiscussionを行なったのち学びの内容や感じたことを記載してもらいま(reflective journal)。数ヶ月後にもう一度彼らと会い、訪問診療の経験や学びが日常臨床にどのように生かされているのか、いないのかをインタビューしました。集められたreflectve journalをテーマごとに分類して学びの内容を分析し,まとめました。査読が何度も何度も繰り返されました。査読のたびに新しいreviewerが出現し、前のreviewerが行方をくらましました笑。苦心してreviseした論文をrejectされ、心が折れそうになりました。研修医や学生の感想文の内容は非常にrichなものでしたが、それを英語で表現するのが大変難しく、native English speakerの先生に何度もお手伝い頂きました。
 この論文を通して、沖縄県立中部病院が急性期医療、病院内での研修だけでなく、訪問診療を通じて患者の生活背景、地域とのつながりも学ぶことができる貴重な研修病院であることをアピールしてゆきたいです。

執筆

1、治療2016年8月号 『スピオルト レスピマット』について。

https://www.amazon.co.jp/%E6%B2%BB%E7%99%82-2016%E5%B9%B4-08-%E6%96%B0%E8%96%AC%E3%81%AB%E9%A3%9B%E3%81%B3%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%97%A2%E5%AD%98%E8%96%AC%E3%83%BB%E6%96%B0%E8%96%AC%E3%81%A8%E3%81%AE%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%AA%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%81%82%E3%81%84%E6%96%B9/dp/B01IRL8NKC

COPDの治療薬について、写真や図を用いてわかりやすく説明しています。

2、レジデントノート 2016年6月号 Vol.18 No.4 基本がわかる!胸部X線画像診断:よくみる疾患の所見はもちろん、読影プレゼンのコツもつかめる! https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758115698/

胸部レントゲンの読影方法について、研修医、医学生を対象にわかりやすく説明しています。私は結核の項を担当させていただきました。

3、臨床雑誌内科 122巻5号 (2018年11月)在宅医療における輸液(とくに終末期について)長野 宏昭  , 本村 和久久 https://webview.isho.jp/journal/detail/pdf/10.15106/j_naika122_955

これから迎える超高齢、多死社会において、在宅医療はどんどん広まって行くでしょう。自宅で肉親の死を看取る機会が多くなる中で、私たちは終末期の患者さんにどこまで医療を施すべきなのでしょうか? 人生の終末期には必ず、食事や水分が摂れなくなり、体は弱っていきますが、点滴などの医療的介入を続けるべきかどうか、現場では判断が難しい場面が多いです。