【第1回 日本在宅医療コングレスで登壇】
昨年の6月以来,久しぶりの県外出張の機会をいただきました.
2月3日に開催した沖縄県在宅医療推進フォーラム2023年度の開催報告のため,東京の全国町村会館にてプレゼンテーションを行いました.
私自身の話を少し、、
昨年4月に1人在宅医として開業。
たくさんの優秀な仲間達に支えられ, 開業以来24時間365日,患者さんの急変に対応しながら1年で100件近くのお看取りを経験しました.
どのような症例もお断りすることなく、全て受け入れています。もちろん、うまくいかなかったこと、後悔が残ることもあります。
微力ではありますが,地域で暮らす人々の「私はここにいたい」を叶えられる助けになれていたらいいな、、
4月からは新たな医師も加わります.
沖縄の小児医療に多大な貢献をされ、人望厚い大先輩をお迎えします。身の引き締まる思いです.
コングレス開始前には,ELC協会業務執行理事の千田恵子さんとお会いしてお話しすることができました. ユニバーサルホスピスマインドの社会実装の成果を5月にシンガポールで発表される予定です!
ホスピスマインドが遂に海を越えます。
沖縄での成果,実装も取り上げていただくとのこと,大変光栄に思います.
「地域へゆいまーる(ユニバーサル)ホスピスマインドが浸透し,結果的に在宅看取り率の向上, social capitalの上昇という目に見える形で結果が出ればうれしいですね」
これからの夢を再確認しました.
コングレスでは,日本全国から集まられた在宅医の先生方とお話しする機会をいただきました.
歯科医 三木次郎先生がご紹介された,私が大好きな作曲家である久石譲さんの
「Domesticを深掘りするとInternationalに通じる」
という言葉が印象に残りました。
私の大好きな音楽からこれからの仕事のヒントを得ました。
いつの時代も,どのような地域でも, 人々の根源的な苦しみ,幸せのpearlについては,文化や表現の違いはあっても深いところでつながっているのかな、、と改めて感じた次第です.
私の発表内容の要旨は以下の通りでした.
(長文失礼します)
沖縄県では、昨年に引き続き、在宅医療推進フォーラムを開催した。
本大会のテーマは『未来へ紡ぐ物語~全ての人が共存できる社会へ~』とした.
在宅医療は単に病気を診断・治療するだけでなく、病気を抱えながらも地域で暮らしたいと願う人の人生を共に歩むという役割がある . 私が現場で大切にしている言葉は「物語」である.一人一人が固有の人生を歩んでいることを認識し、人生物語に伴走する仕事が在宅医療であり,在宅介護,福祉である。在宅医療について知っていただき、人生の最終段階を迎え,生活の助けが必要になったとしても「私はここで暮らしたい」という希望を受け止め,支えることのできる社会は実現可能なのか? 職種や立場を超えて対等に対話を行なった.
今回は昨年度になかった新しい企画をいくつか用意した. 認知症当事者のセッション,介護職がメインで企画 / 運営するセッション、そして学生、 若者がメインとなり将来の展望、夢を語る企画である.また、能登半島地震を受けて、災害に関連した特別企画を準備した。 当日は現地で活動された沖縄の医療チームを招聘し、災害時の在宅医療について考える時間を設けた. フォーラム会場には募金箱を設置し,義援金を募集した.
当日は会場参加112名,Web参加260名,計372名の方にご参加いただきました.
参加者の年齢は20代〜70代と幅広く,82%の参加者が沖縄在住であったが,九州,関東,北海道やオランダやアメリカなど海外からの参加もありました.
7つのセッションがありましたが,どのセッションもアンケートでは「大変満足または満足」の回答が90%を超えていました。
<アンケートの抜粋>
2、新しい概念を学ぼうの企画
・援助的コミュニケーションのベースには相手にとって「わかってくれる人」に
なることが大切だと思いました。
・ゴールは「穏やであること」, 単にサービスを整えるだけでは届かない、、
改めて感じさせられた
・個々の”生きがい”やその人らしさによりそう対応は必須な事だと感じます。
しかし現場では整っていない・・・そこを見つめる気づきを伝える場面になった
と感じます。
・ 「ikigai」が世界共通語になっていると初めて知った, いのちの授業を
受けてみたいと思った
6、市民公開講座:学生と夢を語ろうの企画
・若い方々の素晴らしい夢に、私も勇気やる気をいただきました。
「答えのない心の問題」など介護の仕事をしていると、心が折れそうになったりします。でも、若者がこんなに素敵な夢を持っており、私の老後は心配ないと明るい未来を感じました。健康に気をつけて100歳
目指します。皆様のご活躍楽しみに老後を過ごします。
・夢を持つこと自体もそうだが、それを堂々と語れることに刺激を受けた。 いくつになっても夢を持つことや、前向きに頑張る姿勢には心惹かれるもの
がある。
<大会の総括と今後への課題>
・大会のコンセプトを「物語」とし, 一部の専門家だけでなく,すべての人が大切な人や自分自身のケアができる社会を目指したフォーラムだった.
・学生が登壇し,夢を語るセッションや, 介護職, リハビリ職, 認知症当事者からのメッセージなど多くの年齢層,職種と対話することのできる機会となった.
・1日開催とし,7つのセッションが切れ目なく続いたため, 昼休憩をとることが
できなかった. 後半のセッションの参加者が少なかった.
・在宅医療関係者が多く参加していたが, 病院勤務者の参加が少なかった.
・小児在宅, 食支援, 歯科連携などは今回できなかったが,今後,企画してゆきたい.
・開業1年目で大会長を引き受けた. 現場の仕事に追われる毎日で十分な企画,宣伝ができなかった. 温かく心強い実行委員のサポートで何とか乗り切ること
ができた.
今回,フォーラム大会長の機会を与えてくださった泰川先生,新屋先生,大会を成功に導いていただいた田村さんはじめ実行委員のみなさま, 共催いただいたNPO法人いきがいLABO, 勇美記念財団,全国在宅療養支援医協会のみなさまには改めて厚く御礼申し上げます.
これからも支え合い(愛)の輪を広げてゆけたらいいなと思う次第です.