高齢者施設でできる!新型コロナウイルス感染症対策

withコロナの時代を乗り切るために、地域や自宅で明日から使える正しい知識。

はじめに

こちらは2020年7月, 医師会主催のzoom講演の内容をベースに作成したものです。

内容に関しては講演者にチェックしていただいておりますが, 実際の使用に関しては各施設でよく議論していただき、各自の責任のもとでご適用ください。

キーワード

・感染対策に100点満点は存在しない,それぞれの施設でできること(リスクを減らす)をやる.

最重要ポイントは手指衛生と飛沫対策。

・平時でできないことは有事でもできない, 今のうちから話し合い,準備,対策を.

・必要なサービスと感染リスクを天秤にかけ,臨機応変に対策する.

・面会制限などの方策は始める前に,終わり(いつ解除するか)のルールも決めておく.

・各施設ごとに利用者(家族),職員が納得でき、実現可能なルールを作る.

<各場所での対策・注意事項>

① 手洗い場

・できるだけ広く、清潔に、清掃をしっかり行う

・利用者の手洗い場と、職員の手洗い場を分ける。

・消毒薬は日光、熱を避け、遮光する

② テーブル

・食事前後の清掃をしっかりやる。

・利用者同士の距離を開ける

③ 利用者の部屋

・職員(介護者)の手洗いをこまめに

・同室者で症状がある人がいる場合、その人と他の利用者のトイレ、洗面所を分ける。カーテンなどで仕切りをするなど

④ 静養室 

・アルコール消毒を優先的に配備

・使用後のリネンは早めに交換、清掃する。

④ おむつカート

・汚物ゾーンと消毒ゾーンを分ける。

⑤ 浴室

・乾燥、換気をこまめに行う。

・利用者同士の密接を避ける。

⑥ リビング

・換気、空気が流れていることが重要

・空気の流れは入り口と出口が必要=2箇所、窓を開ける

・空気は広い入り口から入って、狭い出口へ流れる

・症状のある人の部屋が風下になるようにする=風下の部屋の窓は小さく開ける。

⑦ 施設の入り口、玄関

・消毒液、体温計を設置

・名簿に名前と連絡先を書いてもらう

 コロナは症状が出る2−3日前から感染力があるため、追跡調査に使える。

<質問に対する回答>

Q1:面会制限について

 ・重要なことは、始める前にルールを決めておくこと。(いつ始めるのか、終わるのか)

決まったものはなく、施設ごとで決めるしかない。指標としては、国や県が掲げる指標、経路不明の感染者が出た時などか。利用者の納得が得られるようなルールにする。

例:東京などの流行地域(緊急事態宣言が出ている、またはそれに近い状況)からの面会者はホテルなどで2週間待機後に面会可能とする など

Q2:消毒薬について 使い分け、効果は?

 効能・効果(コロナ)注意点備考
アルコール手指衛生に最適 噴霧式で使用可70〜95%度数のものを使用する。お酒(66%)でもOK 流水、石鹸による手洗いと同等。
次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)手指消毒に使用不可 物品の消毒に向いている0.05%に薄めて使用 においがある 腐食性ありノロウイルスに有効 つけおきOK アルカリ性
次亜塩素酸水手指消毒には向かない(大量に使用しないと効果がない)効果が弱い上に長期間保存が難しく、短時間で効果が消失  酸性

厚生労働省のホームページも参考になります。

詳細はhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

Q3 手洗いについて

 ・手や指に付着しているウイルスは、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせる.

・洗ったあと、すぐに乾燥させることが重要。

・利用者、物品に触る前後で、特に、接触前に行う!!

・手荒れに対してはクリームなどでケアを行う。

Q4 物品の代替(不足した時の対応)について

・アルコール:界面活性剤はコロナに有効。石鹸での手洗いを励行する。

・マスク:何のためにつけるかが重要

     自分の持っているウイルス飛沫をばら撒かない→ 布マスクでOK

     他人のウイルスをもらわない→ サージカルマスク以上でないと防げない

     マスクが手に入らないときは人との距離を置く

・エプロン:飛沫対策。症状ある人をケアするときに使用する。手作りOK

・ゴーグル:飛沫対策。症状ある人をケアするときに使用する。フェイスシールドで代替。

Q5 症状について

Q6 症状がある人への対応について

 ・コロナウイルスは発症の2、3日前から感染力があり、症状出現後、7〜10日で感染力が低下するといわれている。

・まずはかかりつけ医、主治医の判断を仰ぐことが重要。

・熱が下がればOKか? → 濃厚接触などがなければ、原則、発熱してから1週間以上は

休んでもらう。流行状況などによって柔軟に対応する。

・咳や鼻水は危険か?→ もともと鼻炎や喘息を持っている人もいる。普段と症状が違うかどうか?

主治医に相談が良い。

・入居者が発熱したら? →個室に入れる、距離を取る、難しい時はカーテンやつい立てを置く。

Q7 陽性者が出たときの対応

 大原則:とんでもなくコロナが流行し、医療崩壊しない限り、施設で陽性者を預かることはない。

陽性者は原則、病院に入院してもらう。施設へ陽性者をお返しすることはない、、

(病院のキャパが許す限りは、、)

・暴露者に対しては保健所から聞き取りが行われるので指示を待つ。

・暴露者を見守っていただく必要があるかもしれない。

・勤務や訪問の記録を取っておくことが重要。

・施設で感染者がでて、利用者をどうしても自宅へ返さないといけなくなった場合に備えて、家族に家で万一の場合、家であずかれるかどうかの確認、説明を行っておく。

Q8 ゾーニングについて

・個室→距離を置く→衝立などを置く

・ゾーンを行き来する人の手指衛生が非常に重要となる。

Q9 施設への訪問、訪問診療について

・必要なサービスと感染のリスクをてんびんにかけて判断する

・利用者とメリット、デメリットを話し合う

・回数が減らせないか、換気しやすい場所か、物品を整理整頓しておく。

Q10 職員が欠けた場合の応援体制について

 ・日頃から、連携について施設同士で話し合っておく必要あり。急に応援に来ても不慣れな施設ではうまく機能しないのでは?

Q11 送迎車の消毒について

 ・中性洗剤を薄めて拭いていただく。取っ手、ドアノブ、座席の頭の部分など手が触れる場所を重点的に。床や天井は拭き取る必要性低いか。

Q12 これまでのクラスターの事例について

・最初は若くて元気な人が持ち込んだケースが多い。

・無症状の人から感染が拡大した。

・日頃から「自分も感染しているかも」と思って行動する必要あり。

<その他の補足>

・怖がらずに早めに専門家へ相談してほしい。

・流行状況に応じて, 対策は臨機応変に。

・軽症ならまずかかりつけ医に相談、重症なら病院へ。

・ダイアモンド・プリンセス号では65歳以上が重症化の割合が高かった。

・換気時間は風の流れにもよるが, できる限りこまめに行う(ウイルスの濃度を上げないため)

・換気は人がいるときに行う。人がいなくなると, ウイルスは数日以内に死滅する。

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