海の広さが教えてくれるもの
新しい年が明けました。病院も外来診療が始まり,患者さんと新年のご挨拶を交わしております。
昨年は肉親の死など、本当に辛く悲しい出来事が多かったのですが、周りの方々の温かい支えのおかげで、なんとか走り続けることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
支えとなる関係,「伴走者」の存在は、暗闇のような現実の中でも一筋の光となりました。
大切な人を失った悲しみは、消えることはなく、時々、よみがえってきては心を締め付けます。
亡くなった人々は「見えない伴走者」として、これからも私の心に生き続け、時々励ましたり、叱ったりしてくれるのだと思います。
今年は私にとって、人生の折り返し地点になります。
あと何年生きられるか分かりませんが、1日1日を大切に生きてゆけたらと思います。
お正月は、大変懇意にしていただいているゼンさんのエスコートで、慶良間諸島へ体験ダイビングに行ってきました。海の中は青くて、広くて、どこまで行っても先は見えません.
まるで無限に広がる宇宙のようでした。
そんな無限に広がる海の中で、自分自身の存在はとても小さく儚いものであると感じました。
大海原を自由に泳ぐウミガメやクジラは私たちよりたくさんの世界を見ているかもしれません。
昔の大河ドラマ「武田信玄」に出てくる猛将、北条氏康(演:杉良太郎さん)公の言葉が印象に残っています.昔の大河ドラマは名言,名セリフの宝庫なのです.
氏康公:「この海はいつみても広い。この海こそ、この相模(神奈川県)の宝じゃ。」
家臣:「ははっ!この海から上がる海の幸は無限にございまする。しかも、全部タダで手に入るのですから!まさしく天の恵みにござりまする。」
氏康公:「そちの話はいつも損得勘定ばかりじゃ。わしが宝と申したのは海の幸のことではない。この海の広さのことじゃ。この無限の海が、人の有限を教えてくれておるのじゃ。」
民を愛し、善政を敷いた名君らしい言葉です。
話は逸れましたが、今年も初旬から色々と講演やイベントの予定があります。
非結核抗酸菌(NTM症)の研究も進めて行きたいと思います。
ELC沖縄の活動は、今年で3年目になりますが、地道に仲間を増やしてゆきたいです。
私は「世の中をより良くできる」学習会、集まりでないと意味がないと思っています。
その場限りの,自己満足で終わらせたくないのです.
2月には1週間で3回の講演がある週もあり踏ん張りどころですが、皆様のお役に立てるよう、沖縄県民の幸せに貢献できるよう尽くして行きたいと思います.